【国道361号線-船渡峡廃道】後編
[国道361号線廃橋梁-船渡橋]
船渡峡という景勝地には、旧道の狭い橋が架かっています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 ここまではありがちな廃道の風景だったけど、
 ここからが本番です?
 思いがけず橋が現れました。
 遠くから見ると通れそうですが、
 はたして…

 近くの廃道や廃隧道の地図はこちら→■全体図■

 沢山の落石が道を塞いでます。
 当たったら痛そうな、とがった石です。
 いや、丸くても当りゃあ痛いけどね。
 どうやら、コンクリートで固められた法面から
 崩れて来たようです。
 上を見上げると、コンクリートに穴が開いて
 岩が顔を覗かせてます。
 そんなに大きな穴じゃないけど、
 小さな穴だと油断してると、
 そこから大きく崩れてしまいます。
 って、それは堤防の話か?
 

 カーブを曲がって、
 いよいよ橋にやって来ました。
 橋の上まで草が生えていて、
 廃物件の雰囲気を醸し出してます。
 でも、やっぱりって言うか、
 ブロックがとおせんぼ。
 これじゃあバイクすら通れません。
 よかった♪歩いて来て。

 
 銘板と船渡峡の風景です。
 この写真を見るとよくわかるけど、
 橋が川と平行になってます。
 ええっ? どうなってるの?
 しかもヘアピンカーブで
 今来た方向に戻ってしまいます。
 不思議な風景だけど、
 実は川も左側にぐいっと曲がってるんです。
 どうやら川幅が一番狭くなった所に
 橋を架けたため、
 こんな変な事になったみたいです。
 

 まあ、周辺図を見れば
 すぐにわかるんだけどね。
 橋の上からだと、
 川の曲がってる様子が見えます。
 それにしても、なんとも強引な道筋でしょう。
 S字ならぬ、Z字カーブ。
 制限速度が30kmな訳です。
 この先にも30kmの標識があったけど、
 「高・中速車」って補助標識が付いてた。
 今やそんな区分はない、高速車・中速車とは
 時代を感じます。
 昔はよく路面に「40高中」とかって
 でっかく書いてあったっけ。
 中速車っていうのは軽自動車などの事。

 

 欄干っていうか高欄は、
 外側に張り出しているので、
 乗っかったら落ちそうです。
 これまさか歩行者用のスペースじゃないよね?
 こんな所を歩くのはいやすぎです。
 橋自体は全然問題無いみたい。
 で、渡った先もブロックでブロックされてます。
 こちらもすぐに急カーブになっていて、
 現道に向けて一気に向きを変えます。

 

 振り返ってもう一度橋の方を見てみましょう。
 最初の写真の落石のある法面が見えます。
 昭和5年の地形図では、
 旧道はここを曲がらず、
 川沿いを真直ぐ進み、
 もう少し先で川を渡ってました。
 今でもその頃の道は残ってるのだろうか?

 
 現道に合流する所から、旧道を見てみた。
 カーブしているのがよくわかります。
 橋は右側の木に隠されてます。
 ここから現道までは、
 ちょっとした広場になっていて、
 車を停めて休憩したりするのに便利です。
 でも、もう少し先に道の駅があるので、
 休むのならそちらの方がいいかも?
 
 さて、あらためて船渡橋を
 横から見てみましょう。
 プレートガーター橋って種類なの?
 橋台部分は頑丈そうな造りです。
 
 さらに離れた所から渓谷全体を撮影。
 なかなかいい景色です。
 景勝地らしい1枚ですね。
 この写真では、川の水が少なくて
 渓谷らしさがあるけど、
 ダムに水が沢山溜められている時は、
 渓谷いっぱいに水があって、
 なんだか渓谷美だいなしって感じです。
 ダムのお陰で人々の生活は便利になるけど、
 これも時代の流れでしょうか。

 [2005年6月現在]

船渡峡は昔、危険な道が通う山奥の地でした。
近代になり、国道で楽に行き来出来るようになった今では、昔日の苦労を偲ぶすべはありません。
旧道に残った「船渡橋」だけが、通行困難だった酷な道の姿を教えてくれます。
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