【国道153号線-大沢廃道】
長野県の南部、阿智村の大沢を通る、国道153号線の線形改良廃道です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 愛知県から長野県を通る国道153号線は、
 かつては三州街道と呼ばれてました。
 現在は快適に走れる快走路となってます。
 快適な道に廃道あり。
 ここにもありました。
 道の改良によって出る、線形改良廃道が。

 今日はなんともイイ天気。
 まさに廃道探索日よりですね。
 今日は5月の連休なので、
 車とか多いです。
 旧道はここ。
 あまり道に見えないスペースですが、
 ここが旧道廃道の入口です。
 
 本当に入口が作ってある。
 関係者以外は入っちゃいけないけど
 隙き間だらけだ。
 ってか、正面ががら空きだ。
 入り放題ですよ。
 林道のような雰囲気ですが、
 この柵のおかげで、
 訳の分からない広場になってる。
 
 とは言え、ちゃんとアスファルトや
 ガードレールが残っていて
 廃道らしさがバッチリあります。
 道の真ん中は人が通るのか、
 通路のようになってる。
 いわゆるシングルトラックだ。
 
 薮に埋もれた廃道は大変ですが、
 このくらいの薄い薮なら楽勝です。
 現役の道じゃ刈られてしまって
 有り得ないのだけど、
 道端から盛大に伸びて来た草に
 綺麗な花が咲いてます。
 こういうのも
 廃道探索の楽しみのひとつです。
 

 横を見ると現道の橋が…
 線形改良廃道じゃ
 お馴染みの景色ですね。

 
 ふと、後ろを振り返って見ると
 おぉ〜〜っと!
 けっこう良い景色だ。
 気持ちの良い山並みが見えます。
 地形図を見ると、
 右の電柱に重なってる山が
 標高927mの山だそうな。
 

 さて、廃道レポートに戻りましょう。
 画面右側を現道が通り過ぎてます。
 目の前の黄色と黒の縞々は
 電柱を支えてるケーブルです。
 さっきまで旧道に立っていた電柱が
 現道側に移ってます。

 
 だからなのか、
 いっそう荒れてるように見えます。
 路肩が崩れてるしね。
 ごそっと落ちてます。
 おかげでガードレールが
 宙に浮いてます。
 
 見る位置を変えてみたら、
 路面の下にパイプが出てる。
 このパイプの先、
 画面右の山の方は谷になってて、
 川があるので、
 大雨の時に大量の水が流れて、
 路肩と下の法面を削ったのかもしれません。
 
 この廃道のハイライトらしき所を過ぎて
 現道に合流してお終い。
 
 現道の歩道に出て来ました。
 こうやって見ると、
 どこが廃道だか分かりませんね。

 では次に行きましょう。
 
 100mほど離れた所に
 お次の廃道があります。
 こちらはガッチリ塞がれてます。
 どこにも隙き間が無いように見えます。
 しかし隙き間はどこにでもあるもの。
 何とか柵と法面の間から
 ずりっと侵入。
 
 どうよ?この廃景。
 アスファルトを覆う雑草。
 その先は森に飲み込まれてます。
 
 本当に飲み込まれてます。
 写真じゃ激薮に見えますが、
 まだ大丈夫。
 
 さっきの廃道と違って
 土砂崩れです。
 こわいですね。

 ・・・向こうに黒い影が見えるけど、
 隧道?
 いえいえそうではありませぬ。
 ただの木の影です。
 
 落石を乗り越え、
 薮を掻き分けて来ると…
 んん〜? 何かある。
 金網で作ったカゴなの?
  じゃなくて、獣用の罠だ!!
 トラップですよ!
 ふ〜危ない、もう少しで入るとこだった。
  なワケないって( ̄▽ ̄;)
 これはクマ用なんだろうか?
 
 その罠のそばにこんな札があります。
 罠を使う為の許可証のようです。
 設置した人の名前と住所が書いてあった。
 どうやら害獣駆除の為じゃなくて、
 狩猟の為の罠みたいです。
 

 “罠”を過ぎてすぐにご覧の有様です。
 倒れた竹が路面に覆い被さり
 完全に塞いでます。
 まあ、細い竹なので
 無理矢理突破も出来ましょうが、
 ここを通っても
 現道に出られないので
 これにて探索終了。

 
 上の場所を抜けた先がここです。
 こちらはフェンスでガチに塞がれてます。
 実はこの状態なのを
 事前に知っていたのでした。
 しかし、2つの廃道で
 封鎖のしかたがこんなに違うのは
 何故なんでしょう?
 不法投棄よけだろうか。
 確かに2番目の廃道の方が
 捨てやすそうな雰囲気だしね。
[2012年5月現在]

南信州の気持ちの良い国道の、古き道筋の廃道でした。
現道は旧道の外側を真っすぐ通っていますが、
現役の道が、山から離れた場所に造られたのは、崖崩れ対策の為でしょうか?
道ネタ「廃道」TOPへ…